壁画
リキテックスの初期の絵具の一部は、1950年代に壁面で実地テストされています。ですから壁画制作は私たちにとって特別な場所です。
英語の「mural(ミュラル:壁画)」の由来はフランス語で壁を意味する「mur(ミュール)」であることをご存じですか?壁画にはフレスコ画、焼き付け画、モザイク画、ステンドグラス、写真など数多くの技法があり、これらの多くが人類の歴史を通して見られます。大型のキャンバスに描いてからそれを壁に掛ける時も、壁面に直接描く時も、アクリル絵具は万能に使え、屋内でも屋外でも耐久性を発揮します。
支持体
- ブロック/石膏/レンガ/コンクリート壁
- 壁板
- 木材・板
- 金属
制作に取り掛かる前のチェック項目
- 壁画制作の許可を取りましたか?
- 一時的な作品ですか?常設作品ですか?
- 最終的に手元に置いておきたいですか?まずキャンバスに描き、パネルに張って、取り付ける方法を検討しましょう。
- 取り上げようとしている題材は公開に適していますか?
- 新しい壁の場合は、石膏/ブロックが過度に伸縮しないか、ひび割れやはがれがないか確認してください。
- 表面に破片などがなく、構造的に安定していますか?
- 湿り気はありませんか?湿気が含まれていると絵具が表面からはがれやすくなります。
一般的な下準備
- まず、グリス、ワックス、油分を取り除きます。リン酸三ナトリウム(TSP)またはより環境にやさしい柑橘系由来製品をぬるま湯に溶かして使用します。
- すでに油性絵具が施された壁、またはそれがはがれている壁である場合は、残っている絵具をすべてはがします。アクリル絵具が使用されていた場合は、表面全体を研磨してください。
- かび取り剤または漂白剤と水を1:3で混ぜた混合液を毛先の硬い筆につけ、カビ、白カビを取り除きます。ぬるま湯で2回洗い流し、完全に乾燥させてください。
- なめらかな表面にしたい場合は、リキテックス マットメディウムを筆で1回塗布するか、2回スプレーします。粗い表面にしたい場合は、リキテックス マットジェルメディウムをコテで1~2回塗布してください。完全に乾燥させます。
- リキテックス ジェッソから1つを選び、必要に応じて最大50%までマットメディウムで薄めてください。テクスチャーのある表面に仕上げたい時はスーパーヘビージェッソをお使いください。
- 筆またはスプレーで塗ります。スプレーの場合は、マットメディウムと蒸留水1:1の混合液でジェッソを薄めてください。水で薄めすぎないようにしましょう。定着力が弱まります。
- ウェット研磨すると地がなめらかになりますが、表面がもろくなります。
特殊な下地準備
- 新しい木材―研磨した後、マットメディウムを1回塗布します。その後、いずれかのリキテックス ジェッソを1~2回塗布します。アクが強い木材の場合は、塗装用のアクどめ材をマットメディウムを塗る前に塗ります。
- ペイントされた木材―研磨するかはがれたり、飛び出たりした部分を手で取り除き、マットメディウムを1回塗布してコーティングしたうえで、お好みのリキテックス ジェッソを1~2回塗布してください。アクが強い木材の場合は、塗装用のアクどめ材をマットメディウムを塗る前に塗ります。
- 新しいブロック―乾燥させ、硬化させてから、なめらかな表面にしたい時はマットメディウムを、粗い表面にしたい時はマットジェルを塗布してください。そのうえで、お好みのリキテックス ジェッソを1~2回塗布してください。
- ペイントされたブロック―研磨または手で破片や汚れを取り除き、乾燥させ、硬化させてから、なめらかな表面にしたい時はマットメディウムを、粗い表面にしたい時はマットジェルメディウムを塗布してください。そのうえで、お好みのリキテックス ジェッソを1~2回塗布してください。
- 新しい壁板―アクリルエマルジョンと相性の良い工業用プライマー(Aqualockなど)を塗布してください。
- 未処理またはペイントされた金属―グリス、汚れ、溶剤を取り除き、表面を研磨します。ペイントされた金属を使用する場合は、下準備用溶液で洗浄し、アクリルエマルジョンと適合性のある工業用プライマー(Aqualockなど)を塗布してください。なめらかな表面にしたい時はマットメディウムを、粗い表面にしたい時はマットジェルメディウムを塗布し、お好みのリキテックス ジェッソを1~2回塗布してください。
定着性テスト
- 正しく定着させられるよう、制作を始める前に同様の支持体でテストしてみましょう。
- 下準備した支持体に絵具またはメディウムを塗布し、温度その他の環境条件によって少なくとも72時間以上置き、完全に乾燥、硬化させます。
- 鋭利なナイフを使って表面に網目模様を入れます。模様をつけた表面にマスキングテープをしっかり貼り付け、押しつけてからゆっくりはがしてください。テープに絵具が付着していたら、表面定着力が十分ではありません。別の下準備の方法に変えるか、その支持体はテストした絵具またはメディウムに適していないということになります。
絵画制作時のアドバイス
- 絵画制作時の理想的な気温は65°~75° F(18~24°C)です。50°F(10°C)未満の場合は避けた方がよいでしょう。雨の日は、湿気を吸収し、定着を妨げ、曇りを起こしやすいため、作業を避けた方がよいでしょう。
- デジタル、スライド、OHPまたは反射式プロジェクターでデザインを壁に投影し、描き写すことができます。または、グリッドシステムを使ってデザインを拡大し、転写する方法もあります。
- 描いたものは、リキテックス マットメディウム50%と蒸留水の混合液をスプレーコーティングし、定着させる必要があります。
- 屋外の壁画は紫外線にさらされるため、リキテックス製品のような耐光性顔料を使用した絵具を選んでください。
- リキテックスのメディウムを使うと絵具の硬さ、テクスチャー、つやの調節ができます。水で薄めすぎないようにしましょう。壁画を長持ちさせるには塗膜を最大限そのままの状態に保つ必要があり、水分が多いとそれが損なわれます。
バーニッシュによるコーティング
- 壁画制作が終わったら、最後の仕上げとして、風化、汚染物質、汚れから作品を守るための保護用バーニッシュを塗布します。
- 将来的に落とせるよう、リキテックス ソリューバーのようなはがせるバーニッシュを使用しましょう。
- まず、恒久的なバリアとしてリキテックス グロスバーニッシュまたはグロスポリマーメディウムを1~2回塗布します。これによって絵具とソリューバー・グロスバーニッシュとが隔てられ、ソリューバー・グロスバーニッシュを落としても絵具が守られます。光沢のある乾燥した表面にするために、ミネラルスピリットを含ませた毛羽立ちのない布で粒子や破片類を取り除きます。
- 次にソリューバーを塗布します。 ソリューバー・グロスバーニッシュを1~2回塗布し、各塗布の間を24時間以上空けます。
- ソリューバー・グロスバーニッシュの塗布または除去については、このウェブサイトのソリューバー・グロスバーニッシュ製品ページまたはこのセクションのソリューバー・グロスバーニッシュに関するアドバイスの中で詳しくご説明しています。